競合と比較されて、価格で負ける
「他社と何が違うの?」
この質問に、自信を持って答えられますか。
答えに詰まってしまう。
結局、価格の話になってしまう。
そんな経験をされている方は多いです。
これは「ポジショニング」が設計されていないことが原因です。
ポジショニングとは「土俵を変える」こと
結論から言います。
ポジショニングとは、「比較される土俵を変える」ことです。
同じ土俵で戦い続ける限り、比較基準は「価格」に収束します。
しかし、土俵そのものを変えれば、価格競争から抜け出せます。
これがポジショニングの本質です。
なぜ比較されると価格で負けるのか
人は情報を「カテゴリ」で整理する
人間の脳は、あらゆる情報をカテゴリに分類して処理しています。
「この商品は〇〇カテゴリだ」と認識された瞬間、同じカテゴリ内の商品と比較されます。
「税理士」というカテゴリに入れられれば、他の税理士と比較されます。
比較が始まると、違いがわかりにくいほど、価格が判断基準になります。
マインドの梯子(ラダー)
顧客の頭の中には、各カテゴリに「梯子(ラダー)」があります。
レンタカーなら、1段目がハーツ、2段目がエイビス。
顧客は、この梯子の上位にいるブランドから順に検討します。
すでに確立されたカテゴリで、上位のブランドを追い抜くのは非常に困難です。
しかし、新しいカテゴリを作れば、その梯子の1段目を取ることができます。
「万人向け」は「誰にも向いていない」
多くの事業者は、ターゲットを広げようとします。
「できるだけ多くの人に売りたい」と考えるからです。
しかし、これは逆効果です。
「すべての人のためのすべて」を目指すと、誰にとっても特別な存在にはなれません。
結果、比較されやすい「汎用品」として認識され、価格競争に巻き込まれます。
よくある誤解
❌ 「良い商品を作れば選ばれる」
品質は、比較の土俵に上がって初めて評価されます。
そもそも「検討する価値がある」と認識されなければ、品質を見てもらえません。
まず認識されること、これがポジショニングの役割です。
❌ 「差別化ポイントを作れば選ばれる」
「違いを作る」だけでは不十分です。
その違いが顧客に「認識」されなければ意味がありません。
顧客の頭の中で「別のカテゴリ」として位置づけられて、初めて差別化は機能します。
❌ 「競合の真似をすれば追いつける」
リーダーと同じ土俵で戦うことは、リーダーの強みを認めることと同じです。
フォロワーがリーダーを倒すことは、歴史的にほとんど成功していません。
勝つためには、違う土俵を見つける必要があります。
設計視点で考える
⭕ 比較されない「カテゴリ」を設計する
ポジショニングの設計には、いくつかのアプローチがあります。
1. ニッチを切り取る
広い市場の中から、特定のセグメントに特化します。
「税理士」ではなく「飲食店専門の税理士」。
「Webデザイナー」ではなく「士業専門のWebデザイナー」。
絞り込むことで、その領域の第一人者になれます。
2. 対抗軸を設定する
業界リーダーと正反対のポジションを取ります。
エイビスは「No.2だからこそ努力する」と宣言しました。
リーダーの強みを逆手に取って、自社の存在意義を確立したのです。
大手が「規模」で勝負するなら、「個別対応」で勝負する。
大手が「実績数」で勝負するなら、「専門性」で勝負する。
3. 新しいカテゴリを作る
既存カテゴリで1位を取るより、新しいカテゴリを作って1位になる方が簡単です。
「コーヒー店」で1位を取るのは難しくても、「サードプレイス(第三の場所)」という新カテゴリを作ればスターバックスになれます。
ただし、新カテゴリの創造には、顧客への教育コストがかかります。
安易に新カテゴリを作るよりも、既存カテゴリを活用して「ニッチな一番」を目指す方が、多くの場合は現実的です。
具体例で考える
コンサルタントの場合
❌「経営コンサルタント」 → 大手や有名コンサルと比較される
⭕「製造業の事業承継専門コンサルタント」 → その領域では第一人者として認識される
オンラインコースの場合
❌「Webマーケティングコース」 → 大量の競合と比較される
⭕「地方の工務店向け集客コース」 → その市場では唯一の選択肢になれる
士業の場合
❌「社会保険労務士事務所」 → 他の社労士と価格で比較される
⭕「IT企業のリモートワーク対応専門の社労士」 → その課題を持つ企業にとっては最適解
どの例も、提供するサービスの本質は変わっていません。
変わったのは「どのカテゴリで認識されるか」だけです。
絞り込むほど強くなる逆説
「絞ると売上が減るのでは」と心配になるかもしれません。
しかし、実際は逆です。
広いターゲットに薄く訴求するより、狭いターゲットに深く刺さる方が売れます。
「みんな向け」のメッセージは、誰の心にも響きません。
「あなたのため」のメッセージは、強く心に刺さります。
小さな池で大きな魚になる方が、大きな池で小さな魚でいるより、はるかに利益が出るのです。
ポジショニングを設計する
この記事では、ポジショニングの本質は「比較される土俵を変える」ことだとお伝えしました。
しかし、これは戦略の入り口にすぎません。
どうやって自分だけのポジションを見つけるか。
どうやって顧客の頭の中に「別カテゴリ」として位置づけるか。
これらを体系的に学ぶことで、価格競争から解放されます。
コース「比較されない土俵を選ぶ」では、あなただけのポジションを見つける方法を詳しく解説しています。
競合との消耗戦から抜け出したい方は、ぜひご覧ください。
