機能を説明しているのに、なぜ響かないのか
「うちの商品は、こんな機能があって、こんなことができます」
一生懸命説明しているのに、顧客の反応が薄い。
スペックを詳しく伝えているのに、購入に至らない。
そんな経験はありませんか。
実は、この問題には明確な原因があります。
そして、その原因を理解すれば、伝え方は劇的に変わります。
顧客は「商品」を買っていない
結論から言います。
顧客が本当に買っているのは、商品そのものではありません。
商品がもたらす「変化」を買っているのです。
有名な言葉があります。
「人はドリルが欲しいのではない。穴が欲しいのだ」
しかし、実はこれもまだ表面的な理解です。
本当に欲しいのは「穴が開いた壁に棚を付けて、すっきり片付いた部屋で暮らす生活」なのです。
なぜ機能説明では売れないのか
人間の脳は、生存と繁栄に関係する情報にしか反応しません。
これは進化の過程で身についた本能です。
顧客が真に求めているのは、以下のような根源的な欲求です。
- お金を節約したい
- 時間を取り戻したい
- ステータスを向上させたい
- 仲間に属していたい
- 安心を手に入れたい
商品の機能やスペックは、これらの欲求に直接結びついていません。
だから、脳は「処理する価値がない情報」として無視するのです。
高級時計が売れる理由
高級時計を考えてみてください。
時間を知るだけなら、スマートフォンで十分です。
しかし、高級時計は売れ続けています。
なぜでしょうか。
顧客は「時間を知る機能」を買っているのではありません。
「成功者としてのステータス」を買っているのです。
これが「商品ではなく変化を買う」という意味です。
3つのジョブを理解する
顧客が商品に求める「ジョブ(仕事)」は3種類あります。
機能的ジョブ
具体的なタスクを完了させること。
例:芝を刈る、書類を作成する、移動する
社会的ジョブ
他者からどう見られたいか。
例:プロフェッショナルに見られたい、良い親だと思われたい
感情的ジョブ
どんな気持ちになりたいか。
例:安心したい、自信を持ちたい、ワクワクしたい
多くの事業者は、機能的ジョブしか語っていません。
しかし、顧客がお金を払う本当の理由は、社会的ジョブや感情的ジョブにあることが多いのです。
よくある誤解
❌ 「スペックを詳しく説明すれば伝わる」
「1500万画素」と言われても、顧客はその価値を実感できません。
「拡大印刷しても綺麗。大切な瞬間を一生残せる」と言えば、価値が伝わります。
技術的な特徴を、顧客の生活への影響に翻訳する必要があります。
❌ 「機能が多いほど価値がある」
機能が多いことは、顧客にとって負担になることがあります。
選択肢が増えると、人は決断を先延ばしにする傾向があります。
シンプルに「これを使えば、こうなれる」と伝える方が効果的です。
❌ 「競合より優れた機能があれば選ばれる」
機能の優劣は、比較の土俵に上がって初めて意味を持ちます。
顧客は「この商品は自分の問題を解決してくれる」と認識した商品しか比較しません。
機能の前に、顧客の課題と結果を語る必要があります。
設計視点で考える
⭕ 「変化」を売る設計に変える
商品説明を「変化」の視点で再設計しましょう。
ポイントは、顧客の「Before」と「After」を明確にすることです。
Before(現在の状態)
顧客が今、抱えている問題や不満は何か。
どんなフラストレーションを感じているか。
After(変化後の状態)
商品を使った後、顧客の生活はどう変わるか。
どんな感情を手に入れられるか。
この「BeforeからAfterへの変化」こそが、あなたが売っている本当の価値です。
具体例で考える
会計ソフトの場合
❌「クラウド対応、自動仕訳機能搭載」
⭕「毎月5時間かかっていた経理作業が、30分で終わる。週末を家族と過ごせる」
コンサルティングの場合
❌「10年の経験を持つコンサルタントがサポート」
⭕「『何から手をつければいいかわからない』から『迷わず行動できる』へ」
オンラインコースの場合
❌「全50レッスン、体系的なカリキュラム」
⭕「人前で話すのが怖かったあなたが、自信を持ってプレゼンできるようになる」
どの例も、商品の中身は変わっていません。
変わったのは「何を売っているか」の視点です。
アイデンティティの変革
最も強力な価値提案は、顧客のアイデンティティを変えることです。
「自信のない初心者」から「賢いエキスパート」へ。
「不安を抱えた経営者」から「決断できるリーダー」へ。
顧客を「誰に変身させるか」を定義することが、熱狂的なファンを作る鍵になります。
伝え方の設計が売上を決める
この記事では、顧客が買っているのは商品ではなく「変化」であることをお伝えしました。
しかし、これは価値の伝え方という大きなテーマの一部にすぎません。
機能を変化に翻訳する方法、顧客の本当の欲求を見つける方法、心に響くメッセージを作る方法。
これらを体系的に学ぶことで、あなたの商品は「選ばれる商品」に変わります。
無料コース「なぜ良い商品が売れないのか」では、この設計の全体像を解説しています。
顧客が本当に求めているものを理解し、それを言葉にする力を身につけてください。
