なぜ説明を増やすほど離脱されるのか
「わかりやすく説明しているのに、伝わらない」
「丁寧に書いているのに、読まれずに閉じられる」
「どこを見ればいいかわからない、と言われる」
こんな状況に悩んでいませんか。
実は、説明を丁寧にするほど、離脱を招いている可能性があります。
この逆説的な現象には、人間の認知に関する原則が隠れています。
問題は「説明不足」ではなく「考えさせすぎ」にある
結論から言います。
ユーザーが離脱する最大の原因は、「考えること」を強いられることです。
Steve Krugの名著「Don't Make Me Think」が示すように、ユーザーは考えずに使えるサイトを求めています。
考えさせられると、最も簡単な選択肢を選びます。
それは「離脱」です。
なぜ「考えさせる」と離脱するのか
ここには、人間の認知負荷に関する構造的な問題があります。
認知負荷という概念
人間が一度に処理できる情報量には限界があります。
この「脳の処理能力の負担」を、認知負荷と呼びます。
認知負荷が高まると、脳は処理を諦めます。
Webサイトでは、それが「離脱」という形で現れるのです。
考えさせる要素の正体
サイト上で「考えさせる」要素はさまざまです。
- 「このボタンはクリックできるのか?」
- 「この用語は何を意味するのか?」
- 「次に何をすればいいのか?」
- 「この選択肢の違いは何か?」
これらの疑問が生まれるたびに、ユーザーの脳に負荷がかかります。
疑問が積み重なると、処理能力を超え、離脱に至ります。
「一目瞭然」の重要性
優れたサイトは、見た瞬間にすべてが理解できます。
「これは何のページか」「何ができるか」「どう使うか」
これらが0.5秒で理解できれば、ユーザーは迷わずに行動できます。
理解に時間がかかるサイトは、どんなに良い内容でも使われません。
よくある誤解
❌ 「詳しく説明すれば理解される」
説明を増やすと、読む負荷が増えます。
読む負荷が増えると、読むことを諦めます。
詳しい説明より、一目でわかる設計の方が伝わります。
❌ 「選択肢を増やせば満足度が上がる」
選択肢が多いと、比較検討の負荷が増えます。
心理学者バリー・シュワルツの研究では、選択肢が多すぎると人は選べなくなることが示されています。
選択肢を減らすことで、決定率は上がります。
❌ 「専門用語を使えば専門性が伝わる」
理解できない言葉は、信頼ではなく不信を生みます。
専門用語を使う場合は、必ず説明を添えるか、平易な言葉に置き換えます。
専門性は、内容で示すものです。
設計視点で考える
⭕ 「考えさせない」設計をする
認知負荷を最小化する設計には、いくつかの原則があります。
原則1:明確なラベル
すべてのボタン、リンク、見出しを、一目で意味がわかる言葉にします。
❌「こちら」「詳細」「送信」
⭕「無料で診断する」「サービス内容を見る」「今すぐ申し込む」
次に何が起きるかを、ラベルで明示します。
原則2:視覚的な階層
重要な情報と補足情報を、視覚的に区別します。
サイズ、色、余白を使って、何が重要かを一目で伝えます。
すべてが同じ大きさで並んでいると、何を見ればいいかわかりません。
原則3:明確な導線
次に何をすべきかを、常に明示します。
「スクロールして詳細を見る」「下のボタンから申し込む」
ユーザーが「次はどうすればいいか」を考えなくて済む設計にします。
原則4:慣習の活用
ロゴは左上、ナビゲーションは上部、CTAは目立つ色。
これらのWeb上の慣習に従うことで、ユーザーの学習コストをゼロにします。
独自性を出そうとして慣習を破ると、ユーザーは混乱します。
具体例で考える
個人コーチの場合
❌ 多数のメニュー項目、複雑なナビゲーション
⭕ 「まずは無料相談」という明確な1つのCTA
選択肢を絞ることで、迷いを排除します。
中小企業の場合
❌ 「ソリューション」「サービス」「製品」の違いが不明
⭕ 「〇〇で困っている方へ」と課題ベースで分類
ユーザーの視点で情報を整理します。
オンラインコースの場合
❌ 「ベーシック」「スタンダード」「プレミアム」の違いが不明確
⭕ 「初めての方はこちら」「経験者の方はこちら」と明確に分類
どれを選べばいいかを、考えずに判断できるようにします。
テスト方法
「5秒テスト」を実施します。
サイトを5秒間見せた後、以下を質問します。
- このサイトは何についてですか?
- あなたは何をすべきですか?
- 次に何が起きますか?
これらに即答できなければ、認知負荷が高すぎます。
全体像を知ることが第一歩
この記事では、「考えさせない」設計の原則をお伝えしました。
しかし、これはLP設計の一要素にすぎません。
認知負荷を下げながら、必要な情報をどう伝えるか。
迷わせずに行動へと導く動線設計とは何か。
「読まれるLP構成を作る」コースでは、この全体像を詳しく解説しています。
説明しているのに伝わらない。
そんな状況を変えるための第一歩として、ぜひご活用ください。
