「あと少しで購入」なのに、なぜ離脱されるのか
「カートに入れた後に離脱される」
「フォーム入力の途中で脱落する」
「購入直前なのに、逃している気がする」
こんな状況に悩んでいませんか。
購入直前まで来た顧客が離脱するのは、大きな機会損失です。
その原因は「決定疲れ」にあるかもしれません。
問題は「購入意欲の低さ」ではなく「決定の多さ」にある
結論から言います。
購入までに何度も選択を強いられると、人は疲れて離脱します。
これが「決定疲れ」と呼ばれる現象です。
購入プロセスでの選択回数を減らすことで、完了率は上がります。
決定疲れとは何か
認知リソースの消耗
人間の脳は、決定を行うたびに認知リソースを消耗します。
研究によれば、人は1日に数千の決定を行っています。
決定を重ねるほど、脳は疲労し、判断力が低下します。
購入プロセスでの決定疲れ
ECサイトでの購入を考えてみましょう。
- 商品を選ぶ
- サイズを選ぶ
- 色を選ぶ
- 数量を選ぶ
- 配送方法を選ぶ
- 支払い方法を選ぶ
- ポイントを使うか選ぶ
購入完了までに、これだけの決定が必要です。
一つひとつは小さな決定ですが、積み重なると大きな疲労になります。
離脱という「簡単な選択」
決定疲れが起きると、脳は最も簡単な選択を求めます。
購入プロセスで最も簡単な選択は「離脱」です。
「後で考えよう」「やっぱりやめよう」
これらは、疲れた脳にとって最も楽な選択なのです。
決定疲れを引き起こす要因
要因1:選択肢の多さ
各ステップでの選択肢が多いと、比較検討の負荷が増えます。
配送方法が5種類、支払い方法が10種類。
選択肢が多いほど、決定に必要なエネルギーは増えます。
要因2:ステップの多さ
購入完了までのステップ数が多いと、決定回数も増えます。
ステップが増えるごとに、離脱率は上がります。
要因3:判断材料の不足
何を選べばいいかわからない状態は、最も消耗します。
「どの配送方法がいいのかわからない」
この状態で決定を強いられると、離脱に繋がります。
要因4:予期せぬ決定
予想していなかった選択を求められると、負担が増します。
「会員登録しますか?」「ニュースレターを受け取りますか?」
本来の目的(購入)以外の決定が増えると、疲労が蓄積します。
よくある誤解
❌ 「オプションを増やせば顧客満足度が上がる」
オプションが多いと、選ぶ負担が増えます。
カスタマイズ性より、スムーズな購入体験の方が満足度に繋がることがあります。
❌ 「詳細な情報を求めるほど良いサービスができる」
フォームで多くの情報を求めると、離脱率が上がります。
本当に必要な情報だけを求め、それ以外は購入後に聞く方が効率的です。
❌ 「離脱するのは購入意欲が低いから」
購入意欲は高くても、プロセスの負担で離脱することがあります。
カートに入れた時点で、購入意欲はあったはずです。
設計視点で考える
⭕ 決定回数を最小化する設計をする
購入プロセスでの決定疲れを防ぐには、いくつかの方法があります。
方法1:デフォルトを設定する
選択が必要な項目に、あらかじめ推奨値を設定します。
配送方法は「標準配送」がデフォルト。
支払い方法は「クレジットカード」がデフォルト。
変更したい人だけが変更すればよく、ほとんどの人は決定を省略できます。
方法2:ステップを減らす
購入完了までのステップを最小化します。
理想は「1ページで完結」です。
情報入力、支払い、確認を1ページにまとめる「ワンページチェックアウト」が効果的です。
方法3:選択肢を減らす
各ステップでの選択肢を絞ります。
配送方法は2種類まで。
支払い方法も主要なものだけに。
少ない選択肢は、決定を容易にします。
方法4:推奨を明示する
選択が必要な場合は、推奨を明示します。
「ほとんどの方が選んでいます」「おすすめ」
推奨があれば、自分で判断する負担が減ります。
方法5:不要な決定を排除する
購入に直接関係のない決定を求めないようにします。
「会員登録」は購入後に案内する。
「ニュースレター」は別の機会に。
本来の目的(購入)に集中できる設計にします。
具体例で考える
個人コーチの場合
❌ 日程選択 → 時間選択 → 場所選択 → 支払い方法選択 → 確認
⭕ 「次回の空き日程はこちらです」と一つを提案 → 確認 → 完了
選択を最小化し、スムーズに予約を完了させます。
中小企業の場合
❌ プラン選択 → オプション選択 → 契約期間選択 → 支払いサイクル選択
⭕ 「御社に最適なプランはこちらです」と一つを提案 → 確認 → 開始
提案型にすることで、顧客の決定負担を減らします。
オンラインコースの場合
❌ コース選択 → 支払い方法選択 → 分割回数選択 → クーポン入力
⭕ コース選択 → 「カード払い」がデフォルト → 確認 → 完了
デフォルトを設定し、例外だけ変更できるようにします。
フォーム入力の最適化
フォームの入力項目も、決定疲れの原因になります。
項目を減らす:本当に必要な情報だけを求める。
自動入力を活用:郵便番号から住所を自動入力。
段階的に求める:最初は最小限、後から追加情報を。
入力の負担を減らすことで、完了率は上がります。
全体像を知ることが第一歩
この記事では、決定疲れを防ぐ設計についてお伝えしました。
しかし、これは選択設計の一要素にすぎません。
購入プロセス全体をどう設計すべきか。
選択肢と決定回数のバランスをどう取るか。
「売りたい商品を選ばせる」コースでは、この全体像を詳しく解説しています。
購入直前で離脱されてしまう。
そんな状況を変えるための第一歩として、ぜひご活用ください。
