「絞ると売上が減る」という恐怖
「ターゲットを絞れと言われるけど、売上が減りそうで怖い」
「できるだけ多くの人に売りたい」
「誰にでも対応できることが強みだ」
そう考えていませんか。
実は、この考え方こそが、あなたを価格競争に追い込んでいる原因かもしれません。
ニッチ戦略とは「専門家になる」こと
結論から言います。
ニッチ戦略とは「小さくなる」ことではありません。
「専門家になる」ことです。
絞り込むことで、その領域の第一人者になれます。
そして、第一人者は価格競争に巻き込まれません。
なぜ絞り込みが競争力を生むのか
「小さな池の大きな魚」になる
巨大な市場で小さなシェアを取るより、小さな市場で大きなシェアを取る方が利益が出ます。
これが「小さな池の大きな魚」戦略です。
「税理士」という大きな池で0.1%のシェアを取るより、「飲食店専門の税理士」という小さな池で30%のシェアを取る方が、実際の売上も利益も大きくなります。
「自分専用」という感覚
ターゲットを絞り込むと、顧客は「これは自分のためのものだ」と感じます。
一般的な「時間管理コース」は19ドルですが、「電動工具の営業職向け時間管理コース」なら1,997ドルで売れます。
商品の内容は同じでも、ターゲットを絞り込むだけで、顧客は「自分専用」と感じて高い対価を支払うのです。
専門家として認識される
広いターゲットに向けて「なんでもできます」と言うと、何も印象に残りません。
狭いターゲットに向けて「これだけは誰にも負けません」と言えば、専門家として認識されます。
専門家として認識されれば、価格で比較されることは少なくなります。
体調が悪いとき、「何でも診ます」という医師より、「この症状の専門医」に診てもらいたいと思うはずです。
ビジネスでも同じです。
よくある誤解
❌ 「絞ると機会を逃す」
実は逆です。
絞らないと、誰の心にも響かないため、機会を逃し続けます。
「みんな向け」のメッセージは、結局誰にも届きません。
❌ 「ニッチ市場は小さすぎる」
インターネットの時代、ニッチでも十分な市場規模があります。
日本全国、あるいは世界中がマーケットになるからです。
地元だけで「飲食店専門の税理士」は成り立たなくても、日本全国なら十分な顧客がいます。
❌ 「専門性を打ち出すには実績が必要」
実績は後からついてきます。
まず専門性を打ち出し、その領域のクライアントを集め、実績を積み上げていく。
この順序が正しいのです。
実績を待っていては、いつまでも専門家にはなれません。
設計視点で考える
⭕ 「唯一の選択肢」になる設計
ニッチ戦略の設計には、以下のポイントがあります。
1. 痛みの深い市場を選ぶ
すべてのニッチが同じ価値を持つわけではありません。
「痛み」が深い市場、つまり切実な問題を抱えている市場を選ぶべきです。
痛みが深いほど、解決策に対して高い対価を払います。
「あれば便利」ではなく「ないと困る」という問題を解決する専門家になりましょう。
2. 既存の強みと掛け合わせる
ニッチは、あなたの既存の強みや経験と掛け合わせると見つかりやすくなります。
「税理士」×「飲食店経営経験」=「飲食店専門の税理士」
「Webデザイナー」×「医療業界の知識」=「クリニック専門のWebデザイナー」
掛け合わせによって、競合のいないポジションが生まれます。
3. 「〇〇なら△△」と言われる存在になる
ニッチ戦略のゴールは、特定の領域で「想起される存在」になることです。
「事業承継で困ったら、あの人に相談」
「IT企業の労務問題なら、あの事務所」
このように想起される存在になれば、競合との比較なしに選ばれます。
具体例で考える
コンサルタントの場合
❌「中小企業向け経営コンサルタント」 → 競合が多すぎて埋もれる
⭕「製造業の海外進出専門コンサルタント」 → その課題を持つ企業にとっては唯一の選択肢
オンラインコースの場合
❌「起業塾」 → 無数の競合と価格競争
⭕「50代からのスモールビジネス立ち上げコース」 → そのターゲットには「自分のためのコース」と映る
士業の場合
❌「何でも相談できる法律事務所」 → 特徴がなく、選ぶ理由がない
⭕「フリーランスの契約トラブル専門」 → その問題を抱える人には最適解として認識される
どの例も、できることを狭めているわけではありません。
「どこで勝負するか」を明確にしているだけです。
絞り込みは「入口」の設計
ニッチに特化することは、すべての顧客を断ることではありません。
入口を絞ることで、強い引力を生み出すのです。
「飲食店専門の税理士」として認知されても、飲食店以外の依頼を断る必要はありません。
入口で強い専門性を打ち出し、関係ができた後で周辺領域に広げることは自然な流れです。
まずは「入口」を絞って、確実に顧客を獲得することが重要です。
専門家としてのポジションを確立する
この記事では、ニッチ戦略の本当の意味は「専門家になる」ことだとお伝えしました。
絞り込みは、売上を減らすのではなく、競争力を高めます。
狭いターゲットに深く刺さることで、「唯一の選択肢」になれるのです。
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「何でも屋」から脱却し、専門家として認識されたい方は、ぜひご覧ください。
