「検討します」で終わる商談
「興味はあるんですけど、ちょっと検討します」
「また後で連絡しますね」
「今すぐじゃなくていいかな」
こんな言葉で、購入が先延ばしにされた経験はありませんか。
「検討します」と言われた商談が、その後成立することは稀です。
人は「後で買おう」と思った瞬間、ほとんど買いません。
ここに、ビジネスの大きな課題があります。
問題は「緊急性がない」こと
結論から言います。
購入が先延ばしになる原因は、商品の魅力不足ではありません。
「今すぐ買う理由」がないからです。
人は、明確な理由がない限り、行動を先延ばしにします。
緊急性を設計することで、この先延ばしを防げます。
なぜ「緊急性」が必要なのか
ここには、人間心理に関する構造的な問題があります。
先延ばしは人間の本能
人は、緊急でないことを後回しにする傾向があります。
これは怠惰ではなく、脳のエネルギー節約機能です。
「後でいいこと」は、脳のリソースを使わないように処理されます。
つまり、「いつでも買える」状態は、「今は買わない」と同義なのです。
損失回避の心理
行動経済学では、人は得ることより失うことに強く反応することがわかっています。
「これを買うとこんなにお得」より、「今買わないとこの特典がなくなる」の方が、行動を促します。
緊急性は、この損失回避の心理を活用しています。
背中を押す力
迷っている顧客には、背中を押す力が必要です。
緊急性は、その「最後の一押し」になります。
本当に欲しいと思っている人の、決断を後押しするのです。
よくある誤解
❌ 「緊急性を演出するのは嘘くさい」
嘘の緊急性は確かに問題です。
しかし、正当な理由に基づく緊急性は、嘘ではありません。
本当に在庫が限られている、本当にサポート枠が限られている。
これらは事実であり、伝えることは誠実なことです。
❌ 「緊急性をつけると安っぽく見える」
安っぽく見えるのは、緊急性の伝え方の問題です。
「今すぐ!」「急いで!」という言葉を連発すれば、確かに安っぽくなります。
しかし、正当な理由を丁寧に説明すれば、信頼を損なうことはありません。
❌ 「良い商品なら、急かさなくても売れる」
良い商品でも、緊急性がなければ先延ばしにされます。
「いつか買おう」は「買わない」と同じです。
良い商品だからこそ、今決断してもらう仕掛けが必要です。
設計視点で考える
⭕ 「正当な理由」に基づく緊急性を設計する
緊急性は、嘘をつかなくても作れます。
正当な理由に基づいた緊急性を設計しましょう。
正当な緊急性の種類
1. 期間限定
特定の期間だけ提供するオファーです。
「今週末まで」「12月31日まで」など。
なぜその期間なのか、理由を添えると説得力が増します。
例:「年末の棚卸しに合わせて、今年中に在庫を整理するため」
2. 数量限定
本当に数量が限られている場合に使えます。
「先着10名様」「在庫残り5個」など。
なぜ数量が限られているのか、理由を説明しましょう。
例:「手作りのため、月に10個しか生産できません」
3. 特典の期限
商品自体はいつでも買えるが、特典に期限がある場合。
「今週中にお申込みの方には、〇〇をプレゼント」
本体の価値は変わらないので、押し売り感が少なくなります。
4. 価格の改定
価格を上げる予定がある場合、それを伝えます。
「来月から価格改定のため、現在の価格でご購入いただけるのは今月まで」
嘘ではなく、本当に価格を上げる場合にのみ使いましょう。
キャンペーンメールの構成
1通目(告知)
キャンペーンの開始を伝えます。
なぜこのキャンペーンをするのか、理由を説明します。
2通目(価値の説明)
商品やオファーの価値を詳しく説明します。
事例や証拠を示し、信頼を構築します。
3通目(Q&A)
よくある質問に答えます。
購入を迷っている人の疑問を解消します。
4通目(締切予告)
締切が近いことを伝えます。
「残り〇日です」と、具体的に示します。
5通目(最終案内)
締切当日に送ります。
「本日23:59で終了します」と、明確に伝えます。
具体例で考える
個人コーチの場合
「今回の個別セッション募集は、私のスケジュールの都合で3枠限定とさせていただきます。次回の募集は3ヶ月後を予定しています。」
本当にスケジュールが限られているなら、これは正当な理由です。
中小企業の場合
「年度末の予算消化をお考えの企業様向けに、3月31日までの特別価格をご用意しました。年度が変わると通常価格に戻ります。」
予算消化という顧客側の理由に合わせた緊急性です。
オンラインコースの場合
「今回のコースは、サポートの質を維持するため、定員30名とさせていただきます。前回は2日で定員に達しましたので、検討中の方はお早めにどうぞ。」
サポートの質という正当な理由に基づいています。
全体像を知ることが第一歩
この記事では、正当な理由に基づく緊急性の設計についてお伝えしました。
しかし、これは「メールシーケンス設計」という大きな枠組みの一部にすぎません。
緊急性をいつ、どのように伝えるか。
信頼を維持しながら成約に繋げる流れの設計。
コース「メールで育てて売る」では、この全体像を詳しく解説しています。
「検討します」で終わる商談を減らしたい。
そんな課題を解決するための第一歩として、ぜひご活用ください。
